専門的な科目の内容を理解するには、数学や物理などの基礎学力が必要です。社会環境デザイン工学コースでは、大学での工学基礎科目の理解度を高めるためのリメディアル教育が充実しています。2年生からは社会環境デザイン工学に関わる4つの専門分野(構造/地盤/水環境/計画)を中心に学びます。
構造系分野では、橋梁をはじめとする構造物の設計や維持管理の手法について学びます。設計に関する基礎知識のほか、構造物の劣化・診断に関する維持管理技術、また、構造物を経済面から評価するためのアセットマネジメント手法など、多岐にわたって学習します。
地盤系分野では、構造物の基礎となる地盤について、その構成や強さなどを物理的、力学的に解明する手法を学びます。構造物直下の地盤の強度推定や沈下量予測といった基本的な問題から、斜面崩壊などの災害問題や廃棄物リサイクル技術などの環境問題まで、地盤を構成する土と岩に関する内容を幅広く学習します。
水環境系分野では、水の流れ、水質、水循環、生態環境などを対象に、より有効な洪水対策や水利用、環境修復等について学びます。水の動きを理解する水理学などの力学系の内容に加え、多種多様な生物と人が共生できる健全な水環境の保全・創造に関する内容など、幅広く学習します。
計画系分野では、都市が抱える問題を地理空間情報やリモートセンシングなどを用いて分析し、快適・安全で、より住みよいまちにするための計画手法などについて学びます。都市計画や交通計画のような大きな視点の計画から、防災コミュニティづくり、高齢者のための施設デザインといった身近なものまで、都市の幅広い問題を対象としています。